
オールオン4は、総入れ歯に代わる新しいインプラント治療法として、近年注目を集めています。
最少4本のインプラントで人工歯を支える構造により、手術回数や治療期間を抑えながら、機能性、審美性を両立できる点がメリットです。
しかし、初めてこの治療法を検討する方の中には人工歯に歯茎がついていると不自然に見えるのでは?と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、オールオンフォーに歯茎がついている理由や、入れ歯やインプラントとの違い、審美性への影響、そして後悔しない選び方について、分かりやすく解説していきます。
オールオン4の基本的な
構造は?入れ歯とは違う?

オールオン4は、最少4本のインプラントで全ての人工歯を支える一体型補綴物です。
1本ずつ埋め込むタイプのインプラントとは異なり、インプラント同士を人工歯でブリッジのように連結し固定する構造になっています。
一方、入れ歯は固定式ではなく、粘膜と唾液の吸着力や金属のバネによって安定させる可撤式の補綴装置です。
オールオンフォーは固定式のため、噛む時の感覚がインプラントのように安定しているのが特徴です。
オールオン4に
歯茎がついている理由

歯茎の退縮を補うため
歯を失った後、時間の経過とともに顎の骨は次第に吸収されていき、それに伴って歯茎も痩せていきます。
このような状態で人工歯を直接並べることは難しく、人工的に再現されたピンク色の歯茎部分によって、そうしたすき間をカバーします。
長さのバランスを取るため
歯茎が痩せて骨の位置が下がってしまうと、同じ位置に人工歯を置いても歯が異常に長く見えるという印象になりやすいです。歯茎がある人工歯は、失われた部分を補いながら、歯の見える長さを自然に見えるように調節する工夫がされています。
口元全体のバランスを整えるうえでも必要な要素といえます。
発音や表情を良くするため
歯茎が痩せると空気が漏れやすくなり、発音が不明瞭になることがあります。
特に「サ行」「タ行」などの音は違和感が出ることもあります。
オールオン4の歯肉部分は、唇との距離感を整え、発音や口元の動きをより良く保つためにも重要なパーツです。
また、唇を自然に支える構造となっているため、顔貌が痩せた印象を与えない効果もあります。
審美性を高めるため
オールオン4に付属する歯肉部分は、単にピンク色なだけではなく、非常に細やかなデザインが施されています。
例えば、歯茎に見える血色のグラデーション、やわらかそうな質感、光沢の調整など、本物の歯茎のようなリアリティを追求しています。
さらに、歯と歯茎の境目も違和感がないように仕上げられており、近くで見ても自然に見えるように工夫されています。
歯茎なしの加工はできる?

基本的にオールオン4では、人工歯とともにピンク色の歯茎部分が一体となった補綴物を使用するのが一般的です。
これは、失われた歯茎や骨のボリュームを補い、見た目と機能の両面を整えるための工夫です。
しかし中には、人工的な歯茎の色味が気になるといった審美的な理由から、歯茎なしのデザインを希望される方もいらっしゃいます。
実際には、顎の骨や歯茎の状態が良好で、退縮が少ない場合に限り、ピンク色の人工歯肉を含まない設計にできることもあります。
ただし、歯茎が痩せている方に歯肉なしの構造を選択すると、歯が不自然に長く見えたり、歯と歯茎の間にすき間が生じてしまったりと、逆に審美性や清掃性に問題が出ることもあります。
そのため、誰にでも可能な選択肢ではないということを理解し、医師とのカウンセリングで適応をしっかりと確認しておくことが大切です。
入れ歯との
見た目の違いは?

一見するとオールオンフォーと総入れ歯は似たような構造に見えるかもしれませんが、実際には見た目にも機能にも大きな違いがあります。
総入れ歯は、歯茎と人工歯が一体となったものを口腔内に吸着させて使用する構造であり、装着時の安定性を得るために粘膜を広く覆う必要があります。
このため、人工的な印象を与えることがあります。
インプラントとの
見た目の違いは?

1本ずつ埋入する通常のインプラント治療では、失った歯の部分に1本ごとにインプラント体を埋め込み、その上にクラウンを装着します。
個々が独立した一本の歯のように見えるため、リアルな見た目になります。
一方、オールオン4は連結された人工歯列を数本のインプラントで支える設計になっており、歯茎の形状を人工的に再現する構造です。
天然の歯茎と人工の歯茎にわずかな段差が見えることもありますが、近年の技工の進化により、これらの違いはかなり目立たなくなってきています。
色味や質感も改善されており、実際に装着している方は自然に見えると満足されている方も多いです。
また、オールオン4の大きなメリットは、たとえ歯茎が大きく痩せていても治療が可能であり、全体の歯並びを一からデザインし直せるという点です。
これはインプラントを一本一本入れる時にはないメリットといえるでしょう。
表情に合わせた歯の見え方や、唇との距離感なども補正できるため、トータルで見た目を改善したい方にとっては、良い治療方法となります。
想像した見た目と違った!と後悔しないために

歯茎のデザインも含めて
事前に確認する
治療を受ける前に「歯が並ぶだけ」とイメージしていると、実際に装着された補綴物に歯茎が付いていることで戸惑ってしまう方もいるかもしれません。
補綴物の中に歯茎を補う部分が含まれる理由や、審美性や機能面への配慮などを治療計画の段階でしっかりと説明してもらい、写真やサンプルを見ながらイメージを共有してもらうことがとても重要です。
模型やシミュレーションでの確認
近年のデジタル技術の進歩により、治療前に完成イメージを視覚的に確認することができるようになっています。
3Dシミュレーションやワックスアップ、仮歯の試適を通じて、補綴物の形状や歯の大きさ、歯茎とのバランスまで細かく確認することが可能です。
「こんな仕上がりになると思わなかった」と後悔しないためには、3Dシミュレーションも使ってイメージを確認すると良いでしょう。
前歯の見た目や
笑顔のラインにこだわる
前歯は笑った時に最も目立つ部分であり、歯の見せ方ひとつで笑顔の印象が大きく変わります。
歯の長さ、幅、角度、歯と唇のバランス、笑顔時のスマイルラインなど、細かいポイントを丁寧に設計してもらうことが審美性に大きく影響します。
過去の写真や希望する笑顔のイメージがあれば、それをもとに歯科技工士と歯科医師が連携して再現することも可能です。
気になる点は
遠慮せずに相談する
「先生がこう言うなら…」と遠慮してしまう方もいますが、仮歯の段階で感じた違和感や不満点は、最終補綴物を作る前にしっかり伝えておくことが大切です。
たとえ些細なことでも、その場で共有することで、調整が可能な範囲であれば最終仕上がりをより自分の理想に近づけることができます。
治療後に「もっと早くいっておけばよかった」と後悔しないためにも、疑問点や不安はその都度オープンに相談し、納得のいくかたちで治療を進めていくようにしましょう。
適応でない場合は無理をしない
オールオン4は多くのケースで有効な治療法ですが、全ての方に適しているわけではありません。
たとえば、極端に骨量が少なく、インプラントを固定するのが困難な場合や、重度の糖尿病や全身疾患がある方などは、手術そのものにリスクが伴うことがあります。
また、審美面に強いこだわりがあり、どうしても歯茎のない見た目にしたいという希望がある方には、他の治療法を検討した方が満足度が高いケースもあります。
無理にオールオン4にこだわらず、他のインプラント治療や入れ歯、ブリッジとの比較も行い、自分にとってベストな方法を選択することが大切です。
歯科医師との十分な対話を重ね、自分のライフスタイルや希望に合った治療を見つけましょう。
失敗しないために知っておくべきこと
歯科医院で
よく相談して選ぼう

オールオン4は補綴物に歯ぐきがついているという独特の構造ゆえに「想像と違った」と感じてしまう方がいるのも事実です。
しかし、こうした後悔は、治療前の十分な情報提供と確認を通じて、あらかじめ防ぐことができます。
歯茎がついている理由や、見た目の仕上がり、カスタマイズの可否など、少しでも気になる点がある場合は、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
信頼できる歯科医院では、シミュレーションや模型を使った丁寧な説明を行い、患者様一人ひとりの希望や不安に寄り添った対応をしてくれるはずです。
インプラントについて
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東京のインプラント専門家医 東京日本橋あさひ歯科では、インプラントに関する「60分相談(CT診断含む)」を実施しております。
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当院のインプラント総責任者・
担当医について

院長
藤井 政樹
東京医科歯科大学出身/
博士号取得ドクター
ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)
当院長はインプラント治療の専門家である『ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)』を有し、大学病院での研鑽と指導実績を持ちます。難症例にも対応可能な安全性・確実性を提供します。
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