
「上下両方にオールオン4を入れたいけれど、トータルでいくらかかるのか知りたい」
「上か下かだけオールオン4を入れることはできる?」
という声は多く聞かれます。
この記事では、オールオン4の費用を上顎、下顎、全顎それぞれの視点から分かりやすく解説し、全顎治療になった際の相場感や価格に影響を与える要素についても詳しくご紹介します。
歯科での片顎という考え方

上顎とは?
歯科における上顎とは、顔の上部に位置する上の歯列を支える骨の部分を指します。
頭蓋骨と一体化しているため、可動性はありません。
上顎には上顎洞という空洞が存在しており、この上顎洞がインプラント治療を行う際の問題になることもあります。
インプラントを上顎に埋入する際には、この空洞にインプラントが突き抜けてしまわないように十分な注意が必要で、骨の高さが足りない場合にはサイナスリフトやソケットリフトといった骨造成の処置を行う必要が出てくることもあります。
さらに、上顎の骨は下顎に比べてやや柔らかく、骨密度も低い傾向があるため、インプラントの安定性を得るのが難しい場合もあります。
下顎とは?
下顎は、口を開閉する際に動く下の骨で、上顎とは異なり、可動する構造を持っています。
下顎には咀嚼筋が多数付着しており、食べ物を噛み砕くという重要な機能を担っています。
骨密度が高く、インプラントの初期固定が得られやすいため、インプラント治療においては比較的成功率が高いとされます。
一方で、下顎の中には下歯槽神経という感覚神経が走っており、これを損傷すると唇や顎のしびれを引き起こすリスクがあるため、CT撮影などによって神経の正確な位置を把握する必要があります。
また、下顎の前歯部では骨の厚みが少ないケースも多く、症例によっては骨造成や角度調整が必要になることもあります。
上顎だけ、下顎だけ
オールオン4はできる?

片顎だけの治療は可能
もちろん、片顎だけのオールオン4治療も可能です。
たとえば、上の歯だけが全て失われている場合、上顎だけを治療することで下の歯と噛みあい、お口全体の機能性を取り戻すことができます。
同様に、下顎のみの治療も選択できます。
上顎は口蓋をくりぬく形になる
上顎に装着される上部構造は、口蓋を避けた設計にすることが多いです。形状の面で入れ歯と違う点といっていいでしょう。
これにより、食べ物の温度や味が感じやすくなり、異物感を軽くすることができます。
ただし、口蓋部分を薄くしたり開放したりするためには、十分な固定力が必要となります。
オールオン4、
上下顎入れるといくら?

全顎で作った時の価格
上下両顎にオールオン4を行う場合、一般的な費用相場は400万円〜800万円程度とされています。
ただし、使用する素材やインプラントメーカー、歯科医師の技術、設備によっても費用は前後します。
片顎で作った時の価格
片顎だけのオールオン4の場合は、おおよそ200万円〜400万円程度が一般的です。
上顎のオールオン4で
価格が変動する要因は?

上顎のオールオン4で治療費が変動する主な要因として、以下の2つのポイントが挙げられます。
- 骨造成の有無:10万円〜50万円程度の追加費用。
- 審美性の重視:素材や技工によって大きく変動。
骨の状態について
上顎は解剖学的に骨密度が低く、加齢や歯の欠損によって骨が吸収されやすいという特徴があります。
そのため、インプラントを安定して埋入するためには、骨の高さや厚みを補う骨造成が必要になるケースが多く見られます。
特に、上顎洞に近接している場合、サイナスリフトやソケットリフトが必要になることもあります。
これらの処置には費用が10万円〜50万円程度が追加されるのが一般的です。
また、骨造成を行うことで治療期間も延びる可能性があるため、全体のスケジュールや予算に影響する可能性も考慮しておきましょう。
見た目を重視する場合
上顎の歯は、会話などの際に最も目立つ位置にあるため、見た目が重要視されることが多いです。
ジルコニアやセラミックといった審美性に優れた素材を選ぶケースは、価格に大きく影響します。
たとえば、オールセラミッククラウン1本あたり10万〜15万円以上かかることがあるため、上部構造全体で100万円近い費用が追加されることもあります。
また、歯の形や色の微調整で技工士によるフルオーダーが必要になる場合もあり、その分価格が上がる傾向にあります。
下顎のオールオン4で
価格が変動する要因は?

下顎のオールオン4で治療費が変動する主な要因として、以下の2つのポイントが挙げられます。
- 埋入角度や神経の位置:サージカルガイド使用で精密化。
- 咬合圧への対処:素材や設計の工夫、ナイトガードなど。
埋入角度
下顎は骨密度が高く、インプラントの安定性を得やすい傾向にある一方で、下顎管という太い神経が走行しているため、埋入位置の設計により注意が必要になります。
オールオン4では後方のインプラントを斜めに埋入する傾斜埋入技術が使用されることが多く、その角度や位置取りによってはサージカルガイドの使用や、CT分析、精密シミュレーションの導入が特に重要になります。
これにより追加費用が必要になることがあります。
奥歯に力がかかる場合
下顎は咀嚼時に大きな力が加わるため、特に奥歯部分には強い咬合圧が集中しやすい傾向があります。
インプラントの本数を増やして分散させたり、強度のある素材を選択したりする過程で費用の変動があるかもしれません。
また、夜間の歯ぎしりや食いしばりなどがある場合には、ナイトガードの作製が必要になることもあります。
片顎、全顎の適応は
どうやって決まるの?

オールオン4治療を片顎だけ行うべきか全顎で治療するべきかは、主に以下の2点を元に診断されます。
- 歯の残存状況
- 骨の状態
歯が残っているかどうか
まず最初の判断基準は、現在残っている歯がどの程度機能しているかです。
歯周病や虫歯が進行している場合でも、残せる歯があるかどうかを歯科医師が精密検査によって判断します。
たとえば、下顎の歯は比較的安定していて、上顎の歯はほとんどが動揺していたり、ぐらつきがあるというようなケースでは、上顎のみをオールオン4で治療し、下顎は部分義歯やブリッジなどで対応するといった選択肢が出てきます。
ただし、見た目や咬合のバランスを総合的に考えると、全体を一新したほうが良いという判断になることも少なくありません。
特に、残っている歯が数本しかなく、それらが周囲の歯に良くない影響を与えている場合は、残すより抜いて治療を統一した方がトラブルが起こりにくいという理由で、全顎治療が勧められることもあります。
また、治療計画を立てる際には、患者様の年齢や将来のメンテナンスのしやすさも考慮されます。
一部の歯だけを残しても、いずれ抜けて追加治療が必要になるリスクがあると判断される場合は、初めから全顎治療を視野に入れた方が、長期的に見て安定するケースもあります。
骨があるかどうか
インプラント治療においては、歯そのものだけでなく、インプラントを支える骨が十分にあるかどうかが重要な判断材料です。
骨量が不足していても、骨造成によってインプラント治療を可能にすることもできますが、それには追加の手術費用、治療期間が必要です。
さらに、高齢の方や糖尿病、心疾患などの持病をお持ちの方の場合は、手術の負担が大きい全顎治療を避け、骨の状態が良好な片顎のみを優先して治療するという選択肢も検討されることがあるでしょう。
治療の安全性を最優先に考えながら、無理のない治療計画を立てることが大切です。
全顎治療にする時の注意点

全顎にオールオン4治療をする場合、上下の噛み合わせを慎重に設計しなければなりません。
人工歯同士は、天然歯と異なりクッション性がないため、わずかなズレでも咬合性外傷や顎関節症の原因になる可能性があります。
さらに、上下ともに人工歯になると、咀嚼時の衝撃を受け止める力がインプラントや骨に集中するため、素材選びや設計がさらに重要になります。
また、全顎治療では見た目のバランスも重要です。 上顎と下顎の歯の長さや位置関係を整えることで、願望のバランスや発音のしやすさが得られます。
機能性と審美性の両方を満たす必要が特に生じてくるのがオールオン4の全顎治療です。
オールオン4の上下費用は
片方顎×2になる

一般的には、片顎の費用を基準として片顎×2が上下顎の合計費用の目安になります。
例えば片顎250万円であれば、上下で500万円前後が目安となります。
ただし、上下同時に治療を行うことで、CT撮影や術前診断、仮歯製作などを共通化できるため、費用を抑えられるケースもあります。
また、上下を同時に治療することで、噛み合わせのバランス調整がしやすく、見た目の統一感が出るケースもあります。
そのため、費用だけでなく、治療の質や予後も踏まえて検討することが大切です。
最終的には費用だけにとらわれず、どのくらいの価値があるか、どれだけ信頼して任せられるかといった視点で歯科医院を選ぶことが、後悔のない治療につながります。
よくある質問(FAQ)
オールオン4は医療費控除の
対象になりますか?
はい、治療目的であれば医療費控除の対象となります。領収書や明細は必ず保管しておきましょう。
医療控除について詳しく見る
痛みが心配ですが、
大丈夫でしょうか?
治療時には麻酔を使用し、必要に応じて静脈内鎮静法を用います。術後の痛みも数日で治まることがほとんどです。
オールオン4について
相談したい方へ
(60分相談のご案内)
東京のインプラント専門家医 東京日本橋あさひ歯科では、インプラント・オールオン4に関する「60分相談(CT診断含む)」を実施しております。
当院では、しっかりとカウンセリングの時間を設けて患者さんのお話を丁寧に伺います。むりに治療を勧めることや、ご納得頂かないまま治療に進むといったことは一切ございませんので、リラックスして何でもお尋ねください。
「信頼できるインプラント・オールオン4の専門家医の意見が聞きたい」、「インプラント・オールオン4が上手い歯医者を探している」、「他院でインプラントを断られてしまった」という方も、どうぞ安心して当院にいらしてください。
セカンドオピニオンにも
対応しております
セカンドオピニオンとは、患者さんがより良い歯科治療を受けようとされる際に、複数の医師に意見を求め、今後の治療や医院選びの参考にしていただくことを目的とします。
当院にはセカンドオピニオンのご相談も多数ございます。
- 初めてのインプラント・オールオン4を検討している方
- 治療を引き受けてくれる医院が
見つからない方 - 使用中のインプラントの調子が悪い方
- インプラントのメーカーが分からず
困っている方 - 実績と医学的根拠に基づく
確かな治療を受けたい方 等
上記のようなお悩みを抱え「どこに相談して良いのか困っている」という患者さんの受け皿となれるよう、引き続き努力してまいります。
当院のインプラント・オールオン4総責任者・
担当医について

院長
藤井 政樹
東京医科歯科大学出身/
博士号 取得ドクター
ITI公認インプラントスペシャリスト
(認定医)
当院長は、インプラント治療の世界的な専門家医とされる『ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)』を持つ歯科医師です。
東京医科歯科大学歯学部附属病院にて最先端の治療の研鑽を積み、また、歯科医師の先生方に向けた教育・指導者としての役割を担ってまいりました。難症例を含む様々な相談実績、治療経験が豊富にございます。
当院では、通常では大学病院で行うようなケースにおいても、医学的根拠に基づき安全性・確実性を最大限に高めたインプラント治療を行うことが可能です。
藤井 政樹院長は、歯科医師人生の99%をインプラント治療に捧げてまいりました。それら経験を活かし、患者さま一人ひとりのお悩み解決に役立てるよう親身にお応えしております。
インプラントに関してお困りの方は、どうぞ安心して東京のインプラント専門家医「東京日本橋あさひ歯科」にご相談ください。