骨粗しょう症と診断されているからといって、必ずしもインプラント治療を諦める必要はありません。
しかし、骨が弱い状態や骨粗しょう症の薬を服用している状態でのインプラント治療には、通常よりも慎重な判断と準備が必要です。
「骨粗しょう症があるからインプラントは無理だと思っていた」
「薬を飲んでいるとインプラントは絶対にできないと聞いた」
という方も多くいらっしゃいますが、実際には骨の状態や薬の種類、服用期間などを総合的に評価したうえで、治療の可否や進め方が決まります。
今回は、骨粗しょう症とインプラント治療の関係について、薬の影響やリスク、治療前に確認すべきポイントまで詳しく解説します。
骨粗しょう症と
インプラント治療の
基本的な関係
骨粗しょう症があっても
インプラントは受けられる?
骨粗しょう症があるからといって、インプラント治療が一律に禁忌となるわけではありません。
骨粗しょう症はあくまで骨密度が低下した状態を指しており、その程度や部位、服用している薬の種類によって治療の可否は大きく異なりますが、実際に骨粗しょう症の方がインプラント治療を受けているケースは多くあります。
ただし、通常よりもリスクが高まることは事実であり、治療を行う前に全身状態を十分に把握し、医科との連携を含めた慎重な判断が求められます。
「骨が弱いと聞いているけれど、自分の場合はどうなのか」と疑問に思っている方は、まず歯科医院に相談し、現在の状態を正確に評価してもらうことが治療の第一歩です。
なぜ骨の状態がインプラントに
影響するのか
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、骨と結合させることで機能します。この骨との結合がしっかり成立するかどうかが、インプラント治療成功の大前提です。
骨密度が低い状態では、顎の骨と人工歯根の結合が不十分になりやすく、インプラントが安定しないリスクが高くなります。
また、骨粗しょう症の方は骨の修復能力も低下していることが多く、手術後の回復にも通常より時間がかかる場合があります。
骨の量だけでなく質も治療の成否に関わるため、骨粗しょう症の方のインプラント治療では、より詳細な術前評価が欠かせません。
骨密度と治療可否の考え方
骨密度は骨粗しょう症の重症度を示す重要な指標ですが、インプラント治療の可否を判断する際には、顎骨の骨密度、骨量、骨の形態を個別に評価します。
全身的な骨密度が低くても、顎骨の状態が比較的良好であれば治療できる場合があります。
逆に、全身状態が良くても顎骨に問題がある場合は慎重な対応が必要です。
CTを用いた精密な骨量評価を行い、必要に応じて骨造成を組み合わせることで、治療の選択肢が広がることもあります。
骨密度の数値だけで判断せず、総合的な評価を受けることが大切です。
骨粗しょう症の薬が
インプラントに与える影響
ビスフォスフォネート系薬剤
とは何か
骨粗しょう症の治療薬として最も広く使われているのが、ビスフォスフォネート系薬剤です。
この薬は骨を壊す細胞の働きを抑えることで骨密度の低下を防ぎますが、同時に骨の代謝回転を抑制するという特性を持っています。
骨粗しょう症以外にも、がんの骨転移治療などに使われることがあります。
インプラント治療との関係において特に注意が必要な薬剤であり、服用している場合は必ず歯科医師に申告することが求められます。
顎骨壊死のリスクと注意点
ビスフォスフォネート系薬剤をはじめとする骨吸収抑制薬を服用している方が、抜歯やインプラントなどの顎骨に侵襲を加える処置を受けた場合、MRONJ(顎骨壊死)が発生するリスクがあります。
MRONJとは顎の骨が壊死し、露出した状態が続く重篤な合併症で、治療が非常に難しく、発症すると長期にわたる管理が必要になります。
発症率は服用薬の状態によって異なり、経口薬よりも注射薬で高いとされています。
インプラント治療を検討している場合は、このリスクを十分に理解したうえで、処方医と歯科医師が連携して対応を判断することが重要です。
その他の骨粗しょう症薬と
口腔への影響
ビスフォスフォネート系薬剤以外にも、デノスマブなどの抗RANKL抗体薬も顎骨壊死のリスクがあるとされています。
また、選択的エストロゲン受容体モジュレーターや活性型ビタミンD製剤など、顎骨壊死のリスクは低いものの、骨代謝に影響を与える薬剤もあります。
骨粗しょう症でも
インプラント治療を
受けられる可能性が
高い状態・低い状態
治療の対象になりやすいケース
骨粗しょう症と診断されていても、以下のような状態であれば治療を前向きに検討できる可能性があります。
- 骨密度の低下が軽度から中等度に
とどまっている場合 - ビスフォスフォネート系薬剤の服用期間が短い
(目安として3年未満)場合 - 経口薬のみで注射薬を使用していない場合
- 全身状態が安定しており感染リスクが低い
場合 など
また、処方医との連携のもとで休薬が可能と判断された場合も、治療の選択肢が広がります。
いずれの場合も、自己判断せずに歯科医師と処方医の双方に相談することが出発点です。
慎重な判断が必要なケース
一方で、以下のような状態では治療リスクが高く、より慎重な対応が求められます。
- ビスフォスフォネート系注射薬を長期間
使用している場合 - 顎骨の骨量が著しく不足している場合
- 糖尿病や免疫疾患など他の全身疾患を
併発している場合 - 過去に顎骨壊死の既往がある場合
インプラント治療そのものが困難と判断されると、インプラント以外の補綴治療を検討することが現実的な選択肢となります。
インプラント治療の副作用やリスクについて
骨粗しょう症の方が
インプラント治療前に
確認しておきたいポイント
他科との連携が必要なケース
骨粗しょう症でインプラントを検討する際には、骨粗しょう症の処方医との連携が不可欠です。
特に休薬を検討する場合は、処方医の判断なしに薬を中断することは絶対に避けてください。
休薬によって骨折リスクが高まる危険があるためです。
歯科医師から処方医への情報提供や、処方医から歯科医師への意見書など、双方向のコミュニケーションが安全な治療の基盤となります。
「歯科と内科を別々に受診しているから情報が伝わっていない」という状況を避けるため、患者様自身も積極的に情報を共有する役割を担うことが大切です。
歯科医師に伝えるべき薬の情報
初診時には、現在服用しているすべての薬の名前、用量、服用期間を正確に伝えてください。
特に以下の情報は治療方針に直結します。
- 服用している骨吸収抑制薬の種類
(ビスフォスフォネート系薬剤やデノスマブなど) - 骨吸収抑制薬の服用年数
- 注射薬か経口薬か
- 過去に同種の薬を服用していた期間
- その他の全身疾患に対する薬
お薬手帳をそのまま持参するのが最も確実です。
骨粗しょう症の方が
インプラント治療中や
治療後に気をつけること
休薬の必要性と主治医への
相談タイミング
ビスフォスフォネート系薬剤などを服用している場合、インプラント手術の前後に一定期間の休薬を行うことが検討されることがあります。
休薬によって顎骨壊死のリスクを少なくできる可能性がありますが、 すべての患者様に適用されるわけではなく、服用期間や骨折リスクなどを考慮して処方医が判断します。
休薬を行う場合は、手術の数ヶ月前から処方医と歯科医師が連携して計画を立てる必要があるため、インプラントを検討し始めた段階で早めに両方の医師に相談することが重要です。
感染予防と定期管理の重要性
骨粗しょう症の方は骨の修復能力が低下しているため、術後の感染予防と定期的な管理が特に重要です。
手術後は抗菌薬の服用を適切に行い、口腔内の清潔を保つセルフケアを徹底してください。
定期検診では、インプラント周囲の骨の状態や歯ぐきの健康状態を継続的に確認します。
異常を早期に発見するためにも、指定された定期受診を欠かさず続けることが、長期的なインプラントの安定につながります。
糖尿病の方がインプラントを
検討するときの相談の流れ
まず歯科医院に相談していいの?
「骨粗しょう症があると最初から断られるのでは」と心配して相談をためらう方も多くいらっしゃいます。
しかし、まず歯科医院に相談することは何も問題ありません。
相談の段階では治療が確定するわけではなく、現在の状態を評価したうえで、治療が可能かどうか、どのような手順が必要かを一緒に考えていきます。
骨粗しょう症であることを正直に伝えたうえで相談することで、より適切な対応を受けることができます。
当院での対応と情報確認の進め方
初診相談では、全身疾患の有無、服用薬、骨粗しょう症の診断内容などを詳しくお聞きします。
その後、CTによる顎骨の精密評価を行い、現在の骨の状態を三次元的に把握します。
必要に応じて処方医への情報提供や意見照会を行い、連携のもとで治療方針を決定します。
患者様が安心して判断できるよう、リスクと選択肢を丁寧にご説明することを大切にしています。
治療できない場合の代替選択肢
インプラントが難しいと判断された場合でも、歯を失った部位に対する治療の選択肢はあります。
入れ歯やブリッジは、骨への侵襲がなく骨粗しょう症の方でも安全に受けられる治療です。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、生活スタイルや口腔内の状態に合わせて最適な方法をご提案します。
「インプラントができなかった」という結果であっても、その後の治療につながる相談の場として活用していただければと思います。
インプラント以外の治療法について「骨粗しょう症だから」と
インプラント治療を
諦めていた方へ
骨粗しょう症があるからといって、インプラント治療が最初から不可能というわけではありません。
骨密度や服用薬の種類などを総合的に評価し、処方医と歯科医師が連携することで、リスクを管理しながら治療を進められるケースは多くあります。
「インプラントは無理だろう」と諦めていた方も、まずは現在の状態を正確に把握する相談から始めてみませんか。
当院では一人ひとりの状態に合わせた最適な治療方針を患者様と一緒に考えてまいります。
インプラントについて
相談したい方へ
(60分相談のご案内)
各分野の専門家医と連携した
総合的な治療をご提案しています
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東京のインプラント専門家医 東京日本橋あさひ歯科では、インプラントに関する「60分相談(CT診断含む)」を実施しております。
当院では、しっかりとカウンセリングの時間を設けて患者さんのお話を丁寧に伺います。
むりに治療を勧めることや、ご納得頂かないまま治療に進むといったことは一切ございませんので、リラックスして何でもお尋ねください。
「信頼できるインプラントの専門家医の意見が聞きたい」、「インプラントが上手い歯医者を探している」
「他院でインプラントを断られてしまった」という方も、どうぞ安心して当院にいらしてください。
セカンドオピニオンにも
対応しております
セカンドオピニオンとは、患者さんがより良い歯科治療を受けようとされる際に、複数の医師に意見を求め、今後の治療や医院選びの参考にしていただくことを目的とします。
当院にはセカンドオピニオンのご相談も多数ございます
- 初めてのインプラントを検討している方
- 治療を引き受けてくれる医院が
見つからない方 - 使用中のインプラントの調子が悪い方
- インプラントのメーカーが分からず
困っている方 - 実績と医学的根拠に基づく確かな治療を
受けたい方 等
上記のようなお悩みを抱え「どこに相談して良いのか困っている」という患者さんの受け皿となれるよう、引き続き努力してまいります。
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総責任者・担当医について
院長
藤井 政樹
東京医科歯科大学出身/
博士号 取得ドクター
ITI公認インプラントスペシャリスト
(認定医)
当院長は、インプラント治療の世界的な専門家医とされる『ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)』を持つ歯科医師です。東京医科歯科大学歯学部附属病院にて最先端の治療の研鑽を積み、また、歯科医師の先生方に向けた教育・指導者としての役割を担ってまいりました。難症例を含む様々な相談実績、治療経験が豊富にございます。
当院では、通常では大学病院で行うようなケースにおいても、医学的根拠に基づき安全性・確実性を最大限に高めたインプラント治療を行うことが可能です。
藤井 政樹院長は、歯科医師人生の99%をインプラント治療に捧げてまいりました。それら経験を活かし、患者さん一人ひとりのお悩み解決に役立てるよう親身にお応えしております。
インプラントに関してお困りの方は、どうぞ安心して東京のインプラント専門家医「東京日本橋あさひ歯科」にご相談ください。