オールオン4は、多くの歯を失った方が再びしっかり噛めるためのインプラント治療の一つです。
総入れ歯に比べて機能性に優れていることから、幅広い年齢層の方々に選ばれています。
しかし、どれほど優れた治療法であっても寿命があります。
「オールオン4にしたけど10年で使えなくなった」「もっと長くもつと思っていた」といった後悔を防ぐためには、メンテナンスが欠かせません。
この記事では、オールオン4の寿命に関する基礎知識から、長持ちさせるための習慣、他の治療法との比較、そして10年後も後悔しないためのメンテナンス方法までを詳しく解説します。
オールオン4の寿命は10年
インプラントの寿命が10年のため、基本的にはオールオン4の寿命も10年とされています。
しかし、実際には20年以上使えることも珍しくありません。
上部構造はインプラントよりも寿命が短くなりがちのため、上部構造を定期的に修理、交換しながら、長期的に使い続ける方が多いです。
寿命に差が出る要因は、使用状況やケアの質、素材、そして患者様ご自身の生活習慣など多岐にわたります。
適切なメンテナンスと定期検診を続けていれば、20年以上使用できる可能性も十分にあります。
入れ歯、ブリッジとの比較
入れ歯の寿命
一般的な総入れ歯の寿命はおおよそ5年〜7年です。
使用しているうちに歯肉の形が変わって合わなくなったり、破損したりすることが多いため、作り直しが必要になる頻度が比較的高めです。
また、毎日の取り外しと清掃が必要で、使用感にも個人差があります。
ブリッジの寿命
ブリッジの寿命は7年〜10年が平均です。
ただし、両端の支えとなる歯に負担がかかるため、その歯が弱くなるとブリッジも使えなくなります。
また、清掃が難しく、むし歯や歯周病のリスクが高くなる点にも注意が必要です。
インプラントと入れ歯の違いとは? インプラントとブリッジの違いとは?オールオン4の寿命を
左右するものとは
自宅でのケア
オールオン4も天然歯と同じように、日々のセルフケアが重要です。
特に注意したいのは、インプラントの周囲に付着するプラークです。
これを放置してしまうと、歯肉に炎症を起こすインプラント周囲炎につながる可能性があります。
インプラント周囲炎は進行すると骨の吸収を招き、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
そのため、通常の歯ブラシに加えて、歯間ブラシやフロスなどを使い、歯と歯肉の境目や隙間まで丁寧に清掃することが大切です。
ケアを毎日欠かさず続けることが、寿命を大きく左右します。
歯科医院での定期検診
どんなに丁寧にセルフケアをしていても、自分では取りきれない汚れや気づけないトラブルがあるものです。
定期検診でクリーニングを受けることは、オールオン4を長持ちさせるために欠かせません。
歯科医院では、歯周ポケットの深さや炎症の有無、ネジの緩み、インプラント周囲の骨の状態などを診査し、必要に応じて上部構造を取り外して清掃します。
診察の頻度は3ヵ月に1度が一般的です。
定期検診を怠ることで、気づかないうちにトラブルが進行し、寿命を縮めてしまうこともあります。
歯ぎしりや食いしばり
無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりも、オールオン4にとって負担となります。
夜間に強く噛みしめてしまう癖がある方は、上部構造やネジにダメージが蓄積し、破損や脱落の原因になります。
そのため、歯ぎしりや食いしばりの自覚がある場合は、ナイトガードの使用がおすすめです。
また、ストレス管理やリラックス法を取り入れることも、癖を緩和する手助けになります。
噛み合わせ
オールオン4の寿命を延ばす上で、噛み合わせも重要な要素です。
例えば、片方だけに過剰な力がかかる噛み方になっていると、片方のインプラントや上部構造に負担が集中し、トラブルの原因となります。
治療後も、咬合が変化していないかをチェックし、必要があれば微調整することが求められます。
食生活
インプラントの寿命は、食生活の影響を大きく受けます。
特に硬いもの、粘着性のあるものなどばかりを好んで摂取していると、ダメージが蓄積されやすくなります。
氷を噛む、硬いおせんべいをよく食べる、ガムやキャラメルを長時間噛むといった習慣は、構造を壊してしまう原因になり得ます。
オールオン4を長く保つには、食べ方や食材の選び方にも気を配り、無理な力をかけずに食事を楽しむ意識が大切です。
喫煙習慣
喫煙はインプラント治療全体にとって大きなリスクファクターです。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、歯肉や顎骨への血流を悪化させます。
これにより、組織の回復力が低下し、インプラント周囲炎が進行しやすくなるのです。
また、喫煙によって唾液の分泌量が減ると、口腔内の自浄作用が弱まり、細菌の繁殖を助長してしまいます。
結果として、インプラントの周囲に感染が起こりやすくなり、せっかく埋入したインプラントが脱落する事態にもなりかねません。
できる限り早い段階で禁煙を検討し、口腔環境を良好に保ちましょう。
オールオン4の術後に食べていいもの・ダメなもの
1本ずつ入れる
インプラントとの違い
基本的に寿命は同じ
オールオン4と1本ずつ埋入するインプラントの寿命自体には、基本的に大きな差はありません。
いずれもインプラント体が骨と結合し、口腔環境が保たれていれば、10年〜20年以上使用することが可能です。
ただし、オールオン4は4本〜6本のインプラントで全体の人工歯を支える設計であるため、荷重の分散や骨の質、量によっては、個々のインプラントにかかる力が増す場合があります。
一方で、1本ずつのインプラントは、それぞれ独立して機能するため、トラブルが起きてもその1本だけを対処することで済むというメリットがあります。
どちらを選ぶかは、口腔内の状況や治療方針によって異なりますが、寿命という観点では大きな差はなく、メンテナンスの質によって大きく左右される点は共通です。
外して清掃する必要がある
オールオン4は一体型の構造で、上部構造がインプラントにネジで固定されているため、定期的に歯科医院でこの上部構造を外して内部の清掃や点検を行う必要があります。
見た目は固定式のブリッジのように見えますが、実際にはメンテナンス性を確保するための着脱式の特徴も併せ持っています。
1本ずつのインプラントでは、このような大掛かりな清掃は必要ないことが多いため、通院時の負担はオールオン4の方が高くなる傾向にあります。
とはいえ、外して清掃することで、見えない部分までメンテナンスできるというメリットもあり、長期的に見れば有効な方法といえます。
修理や再作製の範囲が
大きくなりがち
オールオン4は、全体が一体化した構造であることから、部分的な破損があってもその部分だけの修理で済まないことがあります。
たとえば人工歯の一部が欠けた場合でも、構造上は全体の取り外しと再設計、再製作が必要となるケースがあり、時間やコストの負担が大きくなることがあります。
また、噛み合わせの変化や加齢による顎骨の吸収などで再調整が必要になった場合にも、部分修正では対応できず、全体を作り直す判断がされることもあります。
一方、1本ずつのインプラントであれば、1本にトラブルが生じてもその部分だけを交換したり修復したりできるため、修理の自由度が高いです。
ただし、複数のインプラントが順にダメージを受けていく場合には、結果的に時間と費用がかかるというデメリットもあるため、単純にどちらが優れているとはいい切れません。
後悔しないための
メンテナンス
オールオン4の最大のメリットを活かすためには、定期検診とセルフケアの両立が必要です。
歯科医院でのメンテナンスは、基本的に3ヵ月ごとで、インプラントの周囲に炎症が起きていないか、咬合が崩れていないか、ネジの緩みや破損がないかをチェックします。
必要があれば、上部構造の取り外し、クリーニングも行われます。
また、ホームケアも大切です。日々の歯磨きに加えて、歯間ブラシなどの清掃補助用具を取り入れ、隙間の汚れを残さないようにしましょう。
インプラント後のメインテナンス方法とは?
丁寧なケアで寿命を伸ばす
「オールオン4を使用できるのは10年」という声もありますが、丁寧なケアさえ行えば、20年、さらにはそれ以上の使用も可能になってきます。
そのためには、治療後もメンテナンスを怠らないこと、自分自身の生活習慣を見直すことが重要です。
もしこれからオールオン4を検討している方がいれば、寿命だけでなく、メンテナンスの重要性についてもきちんと理解した上で選択することをおすすめします。
後悔しない選択のために、信頼できる歯科医師との連携を大切にしながら、長く快適に使い続けていきましょう。
オールオン4治療の歯科医院の選び方
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当院のインプラント総責任者・
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院長
藤井 政樹
東京医科歯科大学出身/
博士号取得ドクター
ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)
当院長はインプラント治療の専門家である『ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)』を有し、大学病院での研鑽と指導実績を持ちます。難症例にも対応可能な安全性・確実性を提供します。
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