インプラントのメリットと
デメリットについて
いつもご覧いただきありがとうございます。東京都中央区日本橋箱崎町にある、東京日本橋あさひ歯科です。
インプラントは、失われた歯の機能を取り戻すための効果的な方法として、多くの人々に選ばれています。しかし、インプラントにはメリットだけでなくデメリットも存在することはご存じでしょうか。今回は、インプラントのメリットとデメリットについて詳しく解説し、読者の方々がインプラント治療を検討する際の参考にしていただければと思います。
目次
インプラントとは?
インプラントとは、簡単に言うと「歯がなくなった部分に新しい歯を埋め込む治療法」です。失われた歯の機能と見た目を回復するために、顎の骨にインプラント体と言われる人工的な歯根を埋め込み、その上にクラウンと呼ばれる人工の歯を装着します。
インプラントの構造
インプラントは主に以下の3つのパーツから構成されます:
インプラント体
チタン製やセラミック製のネジ状の構造物で、顎の骨に埋め込まれる人工の歯根のことを言います。中でもチタンは生体適合性が高く、骨と結合する性質があるためインプラント体として多く使用されています。
アバットメント
インプラント体と人工歯を接続する中間部分のことを言います。アバットメントにはインプラントの高さを調節する役割もあるため、噛み合わせや見た目、患者様の歯肉の状況なども考慮し、適切なものを使用いたします。アバットメントが必要ないタイプのインプラントもありますが、症例によって使用できるかどうかも変わりますので詳しくは担当医にご質問ください。
人工歯(クラウン)
上部構造とも呼ばれる歯の見た目を大きく左右する部分です。セラミック製の人工歯を利用することがほとんどですが、メタル製やレジンなどの素材を使用するケースも稀にございます。特に前歯の場合は笑った時によく見える部分になりますので、色や形状を周囲の天然歯に合わせて違和感がないように調整することで、インプラントだと見分けがつきにくい自然な見た目に仕上げることが可能です。
インプラントのメリット
ここまで簡単にインプラント治療の概要について説明してまいりました。ここからはインプラントのメリットについて詳しくご説明いたします。
1. 噛む力の回復
天然歯の噛む力を100とした場合、インプラントは80~90%程度回復可能です(個人差や症状によって異なり、回復率がそれ以下となる場合もあります)。一方、入れ歯は30~50%程度の回復率にとどまり、特に総入れ歯では顎や歯ぐきの粘膜のみで支えるため、硬い物を噛む際に噛みにくさや装置のずれを感じることが多いです。
インプラントは顎の骨に固定されるため安定し、天然の歯に近い噛み心地を再現できます。手術を終えた患者さんの8割以上が「よく噛めるようになった」と回答した調査もございます。
インプラントは歯根の役割を果たし、顎の骨に埋め込まれて歯を支えるため、噛む力(咬合力)や食品粉砕力が従来の入れ歯やブリッジよりも強いことがわかっています。
2. 長期的な耐久性
インプラントの平均寿命は設置場所や条件(歯周病の有無など)によって異なり、使用するメーカーにも左右されますが、一般的に10〜15年とされています。もちろん適切なケアを行うことで20年以上持つこともありますので日々の適切なケアが大事になります。
インプラントに10年保証を設置する歯科医院が多く見られますので、メンテナンス次第で寿命を大きく延ばすことが可能です。一般的に入れ歯の寿命は5年、ブリッジは8年と言われていますので、インプラントがどれだけ長期的な耐久性を持っている治療法であるかが分かります。
3. 隣接する歯への影響が少ない
インプラント治療の大きな魅力の一つは、健康な歯に負担をかけないことです。従来の入れ歯やブリッジでは、隣接する歯に依存し、負担をかけることが避けられませんでしたが、インプラントならその心配がありません。
入れ歯では、健康な歯を削ったり、取り外しとメンテナンスのために手間がかかります。ブリッジは、欠損した歯の両側にある健康な歯を大きく削って支えとするため、これらの歯の寿命が短くなることがあります。
一方、インプラントは顎の骨にチタンやセラミック製の人工歯根を埋め込んで独立した人工の歯を取り付けるため、周囲の健康な歯に負担をかけません。他の治療法と比べて、健康な歯を守りながら失った歯を補うことができるのです。
4. 生活の質(QOL)の向上
入れ歯では、食べ物が硬すぎたり、粘りがあったりすると、食べにくいだけでなく、外れる心配もありました。献立に制限が生じるため、柔らかい食べ物が中心になりがちで、噛む力が衰えることもあります。しかし、インプラントなら、硬いものでも気兼ねなく噛めるので、食べたいものを自由に楽しめます。顎の骨にしっかり固定されているため、食事の楽しさが広がり、好きなものを心置きなく食べられます。
また、インプラントをしたことでしっかり噛むことが増え咀嚼筋を鍛えられますので、顔立ちがシャープで若々しい印象を保てます。入れ歯では噛む力が弱まり、顔の筋肉が衰えがちですが、インプラントなら、噛むことで顔の筋肉が活性化し、自然な表情やフェイスラインを維持できます。
インプラントのデメリット
次に、インプラント治療のデメリットについて見ていきましょう。
1. 高い費用
インプラント治療の大きなデメリットは、その高額な費用です。基本的に、インプラント治療は保険適用外の自由診療となり、全額自己負担となります。インプラントの平均費用は1本あたり約40~50万円で、場合によっては60万円を超えることもあります。これには外科手術の技術料や材料費、設備使用料などが含まれています。高額な費用の背景には、インプラント治療が高度な技術と高価な材料を必要とする点が挙げられます。
ネット広告などで「格安インプラント」を見かけることがありますが、多くの場合、それはインプラント体の費用だけを示していることが多く、実際には総額が標準的な価格に近くなることもあります。治療を受ける際には、総額をしっかりと確認することが重要です。
2. 外科手術が必要
外科手術が必要な点もデメリットとして挙げられます。インプラント体を顎の骨に埋め込むために骨にドリルで穴を空ける必要がありますので、歯肉を切開しなければなりません。ただ手術自体に恐怖心を感じるかもしれませんが、局所麻酔や静脈内鎮静法によって痛みはかなり軽減されます。そのため、「ほとんど痛みを感じなかった」という患者さんも多いです。ただし、骨に穴を開ける際の音が不快に感じられることがあります。
手術後は、麻酔が切れた後の痛みや歯肉の腫れを伴うことがありますが、通常は適切なケアで対処できます。抜歯と同程度の負担であるため、身構えすぎる必要はありません。
一方で、持病がある方や妊娠中の方、高齢で体力に不安がある方など、手術が難しい場合もあります。そのため、事前に歯科医師と相談し、自分の健康状態を確認することが重要です。
3. 治療期間が長い
インプラント治療のデメリットの一つは、治療期間が長いことです。通常、治療には4〜6か月、場合によっては6か月以上かかることもあります。
インプラント治療にはいくつかのステップがありますので、それぞれに時間がかかります。まず、診断と治療計画を立て、次に外科手術でインプラント体を顎の骨に埋め込みます。手術後、インプラントが骨と結合するまで2〜6か月の治癒期間が必要です。治癒期間中は、4〜7回程度の通院で経過観察を行い、最終的にアバットメントや人工歯を取り付けて完了します。
どうしても治療が長引いてしまうのは、インプラントと骨がしっかり結合するのを待つためです。この結合が完了して初めて、安定した土台が形成され、人工歯が装着できるようになります。
ブリッジや入れ歯と比べてインプラントは時間がかかるため、治療期間が長いことは、特に忙しい方や頻繁に通院できない方にとっては負担になることがあります。事前に歯科医師と相談し現実的な治療計画を立てていきましょう。
4. 定期的なメンテナンスが必要
インプラント治療後には、定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラントを長持ちさせ、健康な状態を保つためには、治療が終わった後も、定期的に歯科医院でチェックを受ける必要があります。
インプラントは、自然の歯に近い機能を持っていますが、インプラント周囲炎(しゅういえん)というインプラントをした周囲の歯ぐきや骨の炎症を予防するための定期的なメンテナンスが不可欠です。この炎症を放置すると、インプラントの安定性が損なわれ、最悪の場合、インプラントを除去しなければならないこともあります。
メンテナンスは3か月に1回程度が理想です。この時、歯科医院でインプラントの定着状態や噛み合わせ、被せ物の調整などが行われます。自宅でのケアだけでは不十分なため、歯科医院でのプロによるクリーニングや細菌の除去を受けた方が良いでしょう。
天然の歯と同じように毎日のブラッシングを自宅で行いながら、定期的な通院でプロのケアを受けることが、インプラントを長持ちさせるための鍵となります。
まとめ
いかがでしたか?インプラントは、失った歯を取り戻すための効果的な方法であり、多くのメリットがあります。しかし、治療費や手術のリスクなどのデメリットもしっかりと考慮して選択する必要がある治療法でもあります。治療を検討する際は、歯科医師と十分に相談し、ご自身にとって最適な選択をできるようにしてください。また、インプラント治療を受けられた方はインプラントを適切にケアし、健康な歯を保つために、定期的な歯科検診を欠かさないようにしましょう。
インプラントを検討中の方はぜひ一度東京日本橋あさひ歯科にご相談ください。
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日付: 2024年6月19日 カテゴリ:インプラントコラム and tagged インプラント