
インプラント治療を受けた方の中には、検診で「土台が緩んでいます」と歯科医にいわれて不安になった経験があるかもしれません。
また、インプラント治療を検討していて説明を受けたものの、医師の言う「土台」が何を指すのかよくわからなかったという方もいらっしゃることでしょう。
実際にインプラントの土台とはどの部分を指すのか、分かりにくいことが多い用語です。
インプラントは大きく分けてフィクスチャー(人工歯根)、アバットメント(連結部)、上部構造(人工の歯)の3つの部分から成り立っています。
そのうち「土台」という表現は主にアバットメントを指しますが、患者様向けには、フィクスチャーまで含めて「土台」と説明されることもあります。
この記事では、インプラントの構造を分かりやすく整理し、フィクスチャーやアバットメントの役割、そして「土台が緩んだ」と言われた際に考えられる状況と対処法について詳しく解説します。
インプラントの基本構造
フィクスチャー(人工歯根)
フィクスチャーとは、インプラントの一番下にあたるパーツで、顎の骨に埋め込まれる人工歯根のことです。
チタンやチタン合金でできており、生体適合性が高く、骨と結合する性質を持っています。
天然の歯の歯根に相当する部分で、インプラントの基盤となります。
アバットメント(連結部)
アバットメントは、フィクスチャーと上部構造(人工歯)をつなぐ中間のパーツです。
一般的に土台と呼ばれる部分で、アバットメントによって人工歯をしっかり固定できます。
アバットメントの形状や材質はさまざまで、審美性が重視される前歯ではジルコニア製、強度が求められる奥歯ではチタン製が使われることもあります。
上部構造(人工歯)
インプラントの一番上に取り付けられるのが、上部構造です。人工歯とも呼ばれます。
セラミックやジルコニアなど、見た目や強度に優れた材料で作られます。
天然歯の歯冠に相当する部分で、噛む、見せるという機能を担います。
「土台」と呼ばれるのは
どの部分?
フィクスチャーとアバットメントの
総称
患者様へのインプラント治療の説明で「土台」という言葉が使われる時は、フィクスチャー(人工歯根)とアバットメント(土台パーツ)の両方を含んでいることが多いです。
骨に埋め込まれたフィクスチャーが基盤となり、その上にアバットメントが取り付けられて人工歯を支えるため、この2つがセットで「土台」と表現されます。
患者様に分かりやすく説明する
ための表現
歯科医院では「骨に埋めた土台」「被せ物を支える土台」といった説明をすることがありますが、いずれもインプラント体(フィクスチャー)とアバットメントを合わせた構造を指しています。
専門用語に馴染みのない患者様にも理解してもらいやすくするために、あえてシンプルに土台と呼ぶケースが多いのです。
理解のズレが生じやすい
土台という言葉が単にアバットメントだけを意味することもあれば、フィクスチャーを含めて広く指す場合もあるため、患者様が混乱しやすい用語です。
トラブルの際には、トラブルを起こしているのが骨に埋まっているフィクスチャー部分なのか、アバットメント部分なのかを歯科医師に確認することが大切です。
インプラントの土台
(フィクスチャー+
アバットメント)の役割
人工歯をしっかり支える基盤
フィクスチャーが骨と結合して強固な支えとなり、その上に取り付けられるアバットメントが人工歯を保持します。
フィクスチャーとアバットメントの2つが揃って、天然歯と変わらない安定感を得られます。
見た目の良さに関わる
特に前歯部の場合、土台の形態や材質は見た目にも影響します。
歯肉から透けて見えることがあるため、アバットメントには目立ちにくい素材が選ばれることがあります。
歯肉や咬合の形態を整える
アバットメントは、歯肉のラインと立ち上がりを整える役割も果たしています。力の分散と噛み合わせ調整の役割
インプラントは天然歯のように歯根膜がないため、噛んだ時の力が骨に直接加わりやすい構造となっています。
アバットメント部分の設計がしっかりしていると、インプラントにかかる力が分散され、噛み合わせが安定します。
「土台が緩んだ」
といわれるのはどんな時?
アバットメントスクリューの緩み
インプラントは、フィクスチャーとアバットメントを小さなネジによって固定しています。
フィクスチャーとアバットメントを固定しているネジが、噛む力や摩耗によって緩むと、人工歯全体がグラついたように感じられます。
特に強い食いしばりや硬い物を好んで食べる習慣がある場合、ネジに負担がかかりやすく、緩みの原因となります。
早期に対応すれば再固定で済みますが、放置するとネジが破損するリスクもあります。
上部構造の脱離
実際には土台ではなく、被せ物(上部構造)が外れかけているケースも多く見られます。
患者様の感覚としては人工歯そのものが動いているように感じるため、歯科医院では「土台が緩んでいる」と説明されることがあります。
接着剤の劣化や噛み合わせの不調和が原因になることが多いです。
フィクスチャー自体のトラブル
骨と結合しているはずのフィクスチャーが骨吸収やインプラント周囲炎などによって安定性を失い、動揺することもあります。
この場合は「土台全体が揺れている」と表現されることがあります。
土台にトラブルが起きた時の
対処法
スクリューの再固定
アバットメントスクリューが緩んでいる場合は、歯科医院で締め直すことで改善します。
緩みが繰り返される場合には、ゆるみにくい性質を持つ特殊なスクリューや、摩耗を抑える加工が施された部品に変更することもあります。
ごく軽度であれば再固定で済むケースも多いですが、長期間放置すると上部構造が外れる原因になるため、緩んでいるなと思ったら早めの受診が大切です。
抜去などの根本的な治療
フィクスチャー自体が揺れている場合は、骨との結合が失われている状態になってしまっています。
この場合は再固定では対応できず、撤去や再埋入が必要になるケースがあります。
骨の量が不足していると判断されれば、骨造成を併用して再治療を行います。
インプラントを撤去することになったら?咬合調整やマウスピースの使用
噛み合わせに偏りがあると、一部のインプラントに負担が集中して土台が揺らぎやすくなります。
歯科医院での咬合調整により噛む力を均等に分散させることが重要です。
また、夜間の歯ぎしりや食いしばりに対してはナイトガードが有効です。
これはインプラントを保護するだけでなく、周囲の天然歯や顎関節への負担を軽くすることにもつながります。
炎症がある場合の治療
インプラントに揺れのようなものを感じていて、さらに歯肉が腫れる・出血がある・膿が出るといった症状がある場合には、インプラント周囲炎の可能性があります。
インプラント周囲炎は軽度であればクリーニングや抗菌薬の局所投与で改善が見込めますが、進行すると骨吸収が進み、フィクスチャーが脱落してしまうこともあります。
レーザー治療や外科的クリーニングが必要になる場合もあるため、症状が軽いうちに対処することが大切です。
インプラント周囲炎とは?応急処置とセルフチェック
急な違和感が生じた際は、応急処置としてやわらかい食事に切り替え、インプラントに力をかけないように過ごし、なるべく早めに歯科医院へ連絡しましょう。
日常的に、インプラントから音がする・インプラントが揺れる・歯肉が腫れているといった異変がないかセルフチェックしておくことも、早期対応に役立ちます。
土台を長持ちさせるための
ポイント
定期検診
インプラントの土台は、見た目ではトラブルを判断しにくいことがあります。
歯科医院での定期検診では、スクリューの状態、歯肉の炎症、咬合のチェックを行い、X線検査で骨量の変化も確認します。3ヵ月ごとの検診を習慣化すると安心です。
セルフケア
歯ブラシに加えて、インプラント専用のフロスや歯間ブラシを使ってセルフケアをしましょう。
特にアバットメントと歯肉の境目はプラークが溜まりやすく、炎症やスクリューの緩みに直結します。
研磨剤が強すぎる歯磨き粉は部品の摩耗を早める恐れがあるため、インプラント対応の低研磨タイプの歯磨き粉を選ぶのもポイントです。
噛み合わせの管理
食いしばりや歯ぎしりは無意識に起こるため、自覚がなくても土台に負担を与えています。
マウスピースの使用や、必要に応じた咬合調整によって噛み合わせをコントロールしましょう。
また、歯科医院で定期的に噛み合わせをチェックしてもらうことで、トラブルを防げます。
禁煙
喫煙や過度の飲酒はインプラントの寿命を縮める要因です。
特に喫煙は血流を悪化させ、骨や歯肉の回復を妨げるため、土台の安定を損なう大きなリスクになります。
インプラントの正しいケア方法とは?土台からインプラントを
大切に
インプラントの「土台」とは、フィクスチャーとアバットメントの両方を総称した表現です。
どちらもインプラント治療を支える重要な役割を担っており、緩みや破損があると全体の安定性に影響します。
「土台が緩んだ」と言われる状態の原因は、スクリューの緩み、被せ物の脱離、フィクスチャーの動揺など様々です。
インプラントを長持ちさせるためにも、原因を自己判断せずに早めに歯科医院で確認してもらいましょう。
インプラントについて
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東京のインプラント専門家医 東京日本橋あさひ歯科では、インプラントに関する「60分相談(CT診断含む)」を実施しております。
当院では、しっかりとカウンセリングの時間を設けて患者さんのお話を丁寧に伺います。
むりに治療を勧めることや、ご納得頂かないまま治療に進むといったことは一切ございませんので、リラックスして何でもお尋ねください。
「信頼できるインプラントの専門家医の意見が聞きたい」、「インプラントが上手い歯医者を探している」
「他院でインプラントを断られてしまった」という方も、どうぞ安心して当院にいらしてください。
セカンドオピニオンにも
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セカンドオピニオンとは、患者さんがより良い歯科治療を受けようとされる際に、複数の医師に意見を求め、今後の治療や医院選びの参考にしていただくことを目的とします。
当院にはセカンドオピニオンのご相談も多数ございます
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総責任者・担当医について
院長
藤井 政樹
東京医科歯科大学出身/
博士号 取得ドクター
ITI公認インプラントスペシャリスト
(認定医)
当院長は、インプラント治療の世界的な専門家医とされる『ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)』を持つ歯科医師です。東京医科歯科大学歯学部附属病院にて最先端の治療の研鑽を積み、また、歯科医師の先生方に向けた教育・指導者としての役割を担ってまいりました。難症例を含む様々な相談実績、治療経験が豊富にございます。
当院では、通常では大学病院で行うようなケースにおいても、医学的根拠に基づき安全性・確実性を最大限に高めたインプラント治療を行うことが可能です。
藤井 政樹院長は、歯科医師人生の99%をインプラント治療に捧げてまいりました。それら経験を活かし、患者さん一人ひとりのお悩み解決に役立てるよう親身にお応えしております。
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