インプラントは第二の永久歯とも呼ばれ、長期的に使用できます。
しかし、すべてのケースで一生使えるわけではなく、感染や骨の吸収、破損などの理由で撤去を余儀なくされることもあります。
実際に撤去が必要と診断された時、多くの方がまず気になるのは費用はいくらかかるのか、保険が使えるのかといった経済的な面です。
さらに、撤去後の骨はどうなるのか、再治療できるのか、老後の選択肢はあるのかといった将来への不安も大きいでしょう。
この記事では、インプラント撤去の費用や保険適用の有無、撤去後の骨の状態と再治療の可能性、さらに高齢期の治療選択肢について、詳しく解説します。
インプラントを撤去する
理由とは?
インプラント周囲炎
最も多い撤去理由は、インプラント周囲炎です。
歯周病と同じように歯肉や骨に炎症が起こり、進行すると骨が溶けてインプラントが支えられなくなります。
特に喫煙者や糖尿病を持つ方、定期的なメンテナンスを怠った方にリスクが高く見られます。
初期の段階ではクリーニングや投薬で改善することもありますが、炎症が骨に及んだ場合は撤去せざるを得ません。
フィクスチャーの破折や不具合
インプラント体(フィクスチャー)が折れる、もしくは内部のスクリューが緩むこともあります。
強い咬合力や歯ぎしりがある方では金属疲労によって破損が起きやすく、特に奥歯のように力がかかりやすい部位でリスクが高くなります。
破損したまま放置すると周囲組織に炎症を起こすため、撤去が必要になることがあります。
骨や歯肉の吸収
長期間の使用や加齢、全身疾患の影響で、インプラント周囲の骨や歯肉が徐々に減少するケースもあります。
骨量が足りなくなるとインプラントが安定せず、動揺や脱落につながります。
見た目にも歯肉が下がってインプラントの金属が露出することがあり、審美性や清掃性の観点から撤去を選択する場合もあります。
その他の要因
- 外傷:事故や転倒で顎に強い衝撃が加わると、インプラントが割れたり脱落したりすることがあります。
- 全身状態の変化:心疾患や免疫疾患、放射線治療などによりインプラント維持が難しくなるケースもあります。
インプラント撤去にかかる
費用の目安
自費診療が基本
インプラント治療は自由診療で行われるため、撤去も原則として自費診療です。
費用は医院によって大きく異なりますが、1本あたり3万円〜10万円前後が目安です。
これは撤去のみにかかる費用であり、再治療や骨造成を伴う場合は別途費用がかかります。
難易度による差
撤去にかかる費用は、必ずしも一律ではありません。
骨と強固に結合している場合は、周囲の骨を削って取り出す必要があるため、外科的難易度が高くなります。その場合、10万円〜15万円以上になることもあります。
一方、すでに揺れていて自然に脱落しそうな場合は比較的容易に外せるため、数万円程度で済むこともあります。
保険適用となる場合
インプラント治療自体は保険外ですが、例外的に保険が使える場合があります。
例えば、インプラント周囲炎による感染が顎骨に広がり、顎骨炎や膿瘍を伴っているケースなどです。
この場合、撤去処置や感染コントロールに保険が適用されることもあります。
ただしあくまで例外であり、ほとんどの撤去は自費になると考えておくのが現実的です。
複数本を撤去する場合
複数本を同時に撤去する場合、1本あたりの費用がやや抑えられることもありますが、基本的には本数分の費用が加算されます。
たとえば3本撤去する場合、15万円〜30万円前後になることも珍しくありません。
撤去後の骨の状態は
どうなる?
骨が減る可能性がある
インプラントを撤去すると、埋め込まれていた部分の骨は削合されるだけでなく、その後の自然吸収によってさらに減少することがあります。
特に下顎前歯部や上顎臼歯部など、骨がもともと薄い場所では、インプラント撤去後に急速に骨量が減るケースが多いです。
一般的に骨吸収は歯を失った直後の数ヵ月で最も進み、その後は緩やかに進行します。
こうした変化は、再インプラントの可否に直結します。
感染や炎症があるケース
インプラント周囲炎や感染が原因で撤去する場合、炎症によって骨がすでに大きく溶けていることがあります。
炎症が広範囲に及ぶと骨の欠損は不規則で大きなものとなり、そのままではインプラントの再埋入が難しくなります。
この場合、骨造成手術を併用して骨の土台を作り直す必要があります。
撤去後すぐに再埋入できるケースも
骨の損失が少なく、炎症も軽度である場合には、撤去と同時に新しいインプラントを埋入する即時再埋入が可能です。
これにより治療期間を短縮でき、患者様の負担も減らせます。
ただし、即時埋入が可能かどうかはその時の状態によって左右されるため、誰にでも適用できるわけではありません。
抜歯即時埋入について老後における選択肢
再インプラントの適否を見極める
高齢であっても、インプラント治療は可能です。
ただし、骨粗鬆症や糖尿病、心疾患など全身の病気を抱えている方では、手術のリスクが高まることがあります。
また、骨量や骨質が十分であるかどうか、出血傾向や薬の服用状況なども重要な判断材料です。
例えば、骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネート製剤を服用している場合は顎骨壊死のリスクがあるため、再インプラントは慎重に検討しなければなりません。
老後に再治療を希望する方は、事前に内科主治医とも連携して全身状態をチェックすることが欠かせません。
入れ歯という現実的な選択肢
再手術の負担を避けたい場合には、入れ歯に切り替えるというのも一つの選択肢です。
保険の入れ歯は外れやすい・噛みにくいといった欠点がありましたが、近年は設計の工夫や材料の進歩により快適性が向上しています。
また、「インプラントオーバーデンチャー」という2本〜4本のインプラントを土台にして入れ歯を安定させる方法もあります。取り外しが可能なため手入れがしやすく、再治療したインプラントのケアに不安のある方にもおすすめです。
ブリッジ
隣の歯が健康で、位置関係が良ければブリッジを選択できる場合もあります。
ブリッジは比較的短期間で仕上がり、固定式で取り外しの必要がないため、使い勝手が良いのがメリットです。
ただし、両隣の歯を大きく削る必要があり、支えとなる歯に負担がかかるため、長期的には歯の寿命を縮める可能性があります。
老後の口腔環境を考えると、将来的なリスクを十分に理解したうえで選択することが大切です。
生活の質(QOL)を重視した選択
治療方法を選ぶ際には、できるだけしっかり噛みたい、見た目を重視したいなど、患者様の希望が分かれます。
再度のインプラントにこだわらず、日常生活で快適に過ごせる方法を選ぶことが重要です。
入れ歯やブリッジも含めて幅広く検討し、自分のライフスタイルに合った治療法を選びましょう。
撤去を避けるために
できること
定期検診
インプラントは入れたら終わりではなく、その後のケアが寿命を大きく左右します。
3ヵ月に1回以上は歯科医院でメンテナンスを受け、状態をチェックしてもらいましょう。
特に初期のインプラント周囲炎は自覚症状がほとんどないため、プロによる早期発見が重要です。
セルフケア
インプラントの周囲は天然歯よりもプラークが付きやすいため、インプラント対応フロスや歯間ブラシで丁寧に清掃することが必要です。
さらに抗菌性のマウスウォッシュを取り入れると、炎症予防に役立ちます。
セルフケアが習慣化されている人ほどインプラントが長持ちする傾向があることが報告されています。
噛み合わせや生活習慣の見直し
歯ぎしりや食いしばりはインプラントに大きなストレスを与え、スクリューの緩みや骨吸収の原因になります。
ナイトガードを使うことで負担を減らせるほか、日中の食いしばり癖に気づいて緩和する意識も大切です。
また、喫煙は血流を妨げ、インプラント周囲炎のリスクを数倍に高めることが知られています。
禁煙や減煙はインプラントを守る上で欠かせません。
全身の健康管理
糖尿病や骨粗鬆症、高血圧などの全身疾患はインプラントの成功率に影響を与えることがあります。
血糖値のコントロールや適切な薬の使用、定期的な健康診断を通じて全身状態を良好に保つことも、撤去を避けるための大切なポイントです。
インプラントの正しいケア方法とは? 食いしばり・歯ぎしりへの対処法撤去にならないようにケアを
インプラントの撤去費用は自費で1本あたり3万円〜10万円前後が目安で、難易度によって変動します。
撤去後は骨の状態が大きく影響し、骨吸収が進んでいれば骨造成を伴う追加治療が必要になります。
再治療が可能な場合も多いですが、老後や全身状態によっては入れ歯やブリッジといった代替治療を検討することも現実的です。
重要なのは「なぜ撤去に至ったのか」という原因を把握し、再発防止に取り組むことです。
インプラントは正しいケアと定期メンテナンスで長持ちさせることが可能です。
しかし万一撤去が必要になっても、適切な診断と治療法を選べばその後も快適な生活を取り戻すことができます。
インプラントについて
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当院では、しっかりとカウンセリングの時間を設けて患者さんのお話を丁寧に伺います。
むりに治療を勧めることや、ご納得頂かないまま治療に進むといったことは一切ございませんので、リラックスして何でもお尋ねください。
「信頼できるインプラントの専門家医の意見が聞きたい」、「インプラントが上手い歯医者を探している」
「他院でインプラントを断られてしまった」という方も、どうぞ安心して当院にいらしてください。
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セカンドオピニオンとは、患者さんがより良い歯科治療を受けようとされる際に、複数の医師に意見を求め、今後の治療や医院選びの参考にしていただくことを目的とします。
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総責任者・担当医について
院長
藤井 政樹
東京医科歯科大学出身/
博士号 取得ドクター
ITI公認インプラントスペシャリスト
(認定医)
当院長は、インプラント治療の世界的な専門家医とされる『ITI公認インプラントスペシャリスト(認定医)』を持つ歯科医師です。東京医科歯科大学歯学部附属病院にて最先端の治療の研鑽を積み、また、歯科医師の先生方に向けた教育・指導者としての役割を担ってまいりました。難症例を含む様々な相談実績、治療経験が豊富にございます。
当院では、通常では大学病院で行うようなケースにおいても、医学的根拠に基づき安全性・確実性を最大限に高めたインプラント治療を行うことが可能です。
藤井 政樹院長は、歯科医師人生の99%をインプラント治療に捧げてまいりました。それら経験を活かし、患者さん一人ひとりのお悩み解決に役立てるよう親身にお応えしております。
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